元乃木坂46の子の著書を読んでみました。(「ありがとう、わたし」中元日芽香)

「ありがとう、わたし」 著:中元日芽香

乃木坂46に1期生として加入し2018年に同グループを卒業した「ひめたん」こと中元日芽香さんが、芸能界を引退し、心理カウンセラーになるまでのことを振り返り、これまでに感じ考えてきたことを綴ったエッセイです。

乃木坂46は伊藤万理華さんを推し続けていました。
その親友である中元日芽香さんも注目していた一人でした。
体調不良での卒業(引退)でしたが、精神的なものであろうというのは彼女の休養前後の動向から容易に推測でき、「またどこかで。」と締めくくられた彼女のブログにすぐ表舞台に立ってくれるだろうと期待をしていました。

しかし、状況はそこまで軽いものではなかったようですね。書かれている内容は明るく軽いものでは決してありません。
選抜メンバーに落選し続け、ようやく選ばれてもすぐにアンダー降格、再び選抜チーム入りした時も3列目で、さらに前に行ける自信がなくなり、目標を失うといった挫折体験、心の葛藤が赤裸々に綴られていて、結構重い内容でした。

SPL∞ASH時代も乃木坂46時代も、「中元日芽香」は「私」を認めることも、褒める事もしていません。
本当は褒められたい、認められたいけれども素直になれませんでした。
また「中元日芽香」は周りにあわせていくつかのキャラをつくって演じていました。
アイドルの「ひめたん」というのもその一つだったようです。
演じることはそうそう長く続くわけもなく、徐々に「決壊」を招いてしまいました。
その決壊が表に出たのが、14枚目「ハルジオンが咲く頃」の選抜発表だったのでしょうか。

他人の苦しみに寄り添う心理カウンセラーという仕事は、中元日芽香さんにぴったりだと感じました。
中元日芽香さんのファンだけでなく、多くのアイドルファンの方、現役アイドルの方、アイドルを目指している方、日常生活に生きづらさを感じている方など、大勢の人に読んでほしいと思います。

「最近仕事どう?」 ー 楽しいよ。